2010年01月29日

阿佐ヶ谷住宅(5) 52年前の路上観察

 東京23区の中でも進んだイメージが(自分の中では確かに)ある杉並区において、完璧なる異空間である事をいやでもわからせてくれる阿佐ヶ谷住宅。
 そんな場所にあっても、やはりこのblog的に気になるものを、今回はご紹介します。


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 こちらはテラスハウスの玄関扉。ポップな色使いで隣あった所帯が扉の色を塗り分けていますが、今現在の集合住宅において、このように玄関扉の色が異なる物件、そんなにはないと思います。
 自分の記憶では、江東区にあるKODAN SHINONOMEがこのように扉を塗り分けた棟があったかと思いますが、オートロックの先に存在してましたので、このように万人が見られる状態ではなかったです。その時点で、扉を塗り分ける、という行動の先に思う事が大きく異なるのではないか、と勝手に推測してしまいます。
 

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 続いてこちらは、テラスハウスに設置されてるガスメーター。正確に言えばガスメーターを収納しているハコ。

 あまり説明も必要ないかと思いますが、どうですか?このルックス。ウ○ウ○ルーガにおけるテレビくんのような、実にファニーな工作物だと思います。

 
 日本におけるポップアート、と言いますとどうしても村上隆や奈良美智のようなイメージがありますが、この阿佐ヶ谷住宅だって十二分にポップアート。ここが公団住宅だ、言うことを踏まえて考えると、ここはまるで引っ込み思案なウォーホール、みたいなものだったのかもしれません(言い過ぎ?)


 
 5回に分けてお届けした阿佐ヶ谷住宅の記事も今回でひとまず終了です。次回からはまたトマソンの記事に戻りますが、都会にこれだけ異質な空間があったのだ、という事を誰かしらご理解いただければ、とても良いと思います。
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2010年01月27日

阿佐ヶ谷住宅(4) 敷地を彩るあれこれ

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 阿佐ヶ谷住宅は建物そのものもさることながら、樹木を始めとした様々なものが目を楽しませてくれます。

 今回は住居以外のいろんなものをご紹介。


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 まずはこちら。阿佐ヶ谷住宅のシンボルともいえる給水塔。独特な形でそびえたっております。きちんと撮影すればかなり写真映えすると思います。
 阿佐ヶ谷住宅のキーワードとして「築50年以上」というのがあります。この給水塔も同じ時期に完成していたとするならば、とてもモダンな塔として注目を集めたのではないでしょうか。

 高度成長における高級住宅のシンボルとして、この地域の象徴として、このようなこだわった形を設計が選んだのかも、と推測しながら阿佐ヶ谷住宅を歩けば、そこはかつての賑わいの名残があちこちに見え隠れするようでもあります。


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 阿佐ヶ谷住宅には、各所に広場や公園が設置されています。いくつかは遊具が撤去され、いくつかは今も使えるようになっております。
 善福寺川から至近のこの場所においてこれだけの公園を設置した計画を盛り込んで、公団が阿佐ヶ谷住宅を分譲したという事は、団地ではなくテラスハウスを多く配置した事と合わせて考えればかなり余裕のある生活空間を創り出したい、という意志が明確に存在していたのだと考える事が出来ます。

 当時の善福寺川流域が現在のように整備されていたのかどうかはわかりませんが、昭和30年代にこれだけの公園をわざわざいくつも配置してあるというのは当時から贅沢だったのではないかと思います。
 今では放棄されてしまったように見えるいくつかの遊具も、当時の豊かさを思わせてくれる貴重な存在だと思います。



 珍しくかための文章となりましたが、阿佐ヶ谷住宅編は次回でひとまずおしまい。そして次回はいつも通りに、変なものにばかり注目してしまった事をカミングアウトさせて頂きますので、金曜日をお楽しみに。
 
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2010年01月26日

阿佐ヶ谷住宅(3) RC造住宅

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 都会において異空間を構成している阿佐ヶ谷住宅。その中にある鉄筋コンクリート造(RC造)の物件を今回はご紹介します。



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 前回のテラスハウスから比べますと、極めてシンプルな印象を受けるのですが、築50年を越えるRC造の建物が複数集まっていながらも緑に囲まれているという環境が東京23区内にある、というこの状態そのものが珍しいのではないかと思います。

 そして上の写真のように、外壁に明るい色をあしらったものもあってさほど無機質さを感じさせないように住民の方々がこだわっていたのではないか、とも思えたり。


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 そんな中見かけたのがこちらの30号棟。ベランダからアングル材がにょきにょきと生えています。


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 どうやらこれ、物干し台のようです。随分スパルタンな物干し台ですが、更に手前に写るアンテナが不思議さを加速させています。



 また、やはり経年劣化を起こしている建物もいくつかあって、

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 外壁にクラック(ひび)の補修跡があったり、外壁が剥落しているものが散見されました。
 この状態が進めば、ネットで養生されてしまったり、今の姿とは異なる状態となってしまいそうですので残念。


 散々繰り返して述べていますが、この建物が東京都杉並区に群集している、という事実。これはとても、貴重です。


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2010年01月22日

阿佐ヶ谷住宅(2) テラスハウス群

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 阿佐ヶ谷住宅を構成する建物には、RC造4階建てとテラスハウスがありますが、今回は後者、テラスハウスのご紹介。


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 斜め屋根が特徴のテラスハウスですが、多くが既に無人となっております。緑に囲まれた贅沢な環境で、いわゆる公団住宅とは一線を画していた事がうかがえます。


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 同じテラスハウスというタイプではあるのですが、立地によって形状、環境がかなり異なっています。この多様性を見ても、かなりグレードの高い住宅だったのではないでしょうか。超高層タワーマンションなどが林立する今となっては、この環境は本当に羨ましい限りです。


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 残念な事に、築50年以上を経た現在、いくつかの棟では建物に補修不能と思えるくらいのダメージが生じています。地盤の移動によるものなのでしょうか、ひび(クラック)といえない程に大きな亀裂が入っています。
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2010年01月20日

阿佐ヶ谷住宅(1)

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 今回からいくつかお届けしますのが、阿佐ヶ谷住宅。昨年の松尾鉱山のような、雑誌で言うところのシリーズ連載というようなご理解を頂ければと思います。




 東京都杉並区、善福寺川のそばに位置するのがこの阿佐ヶ谷住宅。「住宅」と言ってもこれ、集合住宅です。



 航空写真でご覧になると、建物の集合体である事がお分かり頂けるかと思います。



 1958年に竣工し、RC造の建物と2階建てのテラスハウスによって合計350戸の住宅を供給しているのが阿佐ヶ谷住宅の特徴。50年以上前にテラスハウスを大量に建設した、という発想がとても珍しいと思います。しかもこれ、日本住宅公団によって分譲された物件だそうです。


【参考】
阿佐ヶ谷住宅日記



 さてこの阿佐ヶ谷住宅、前述の通り50年以上経つ物件です。従いましてまだ入居されている建物もありますが、逆に老朽化して無人となっている建物もあります。
 と、いうのもこの一帯を再開発しよう、という動きがあるのですがそれがなかなかまとまらない。まとまらないのでなんとも微妙な状態で今現在を迎えている、という非常に珍しい事になっております。


 そんな阿佐ヶ谷住宅を昨年末、友人に案内してもらって見学して参りましたので、今回から数回にわけて、ご紹介します(今回は能書きだけです、すいません)。



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 上の写真にあるのが、阿佐ヶ谷住宅の配置図です。いかにも公団、という看板です。


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 再開発をしたい側の主張と、再開発してもいいけど低層にしてほしい側の主張。難しい問題です。


 今回はここまで。とても焦らして申し訳ありませんが、続きは金曜日に、テラスハウスの記事でお届けします。
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2010年01月18日

浜松町、階段のそば

 今回はとても素敵な建物のご紹介。ググッときますよ、その筋の方には。


 どこにあるのかと言いますと、東京都港区浜松町。JR山手線/京浜東北線の浜松町駅又は都営地下鉄浅草線/大江戸線の大門駅からすぐのところにあります。





 地図で言うとこちら。とても便の良いところです。


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 こちらが今回の物件。鉄骨階段の下にお蕎麦屋さんがあります。平屋の上に鉄骨階段。隆々たるものです。


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 真正面から全景を収めたのがこちらの写真です。どうですか、この階段。階段力が強い、と思いませんか?思いませんか?


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 蕎麦屋の上を見上げてみると、鉄骨階段が天を突く。ああなんて素敵な蕎麦屋だ、と興奮しつつ舌鼓なぞうたれたらよろしいのではないのでしょうか。


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2010年01月15日

小便小僧の2010年

 月イチでお届けしているJR浜松町駅の小便小僧ですが、今回はちょっと遅くなってからのご紹介となってしまいました。

 そしてどんなお姿でテン年代を迎えたかと言いますと・・・




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あけおめでことよろだぜ。


 ・・・虎、です。

 渋谷のセンター街にいっときいた女子のような衣装ですが、とにかく虎です。全身で新年を慶んでいる模様です。


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ちゃんと正月飾りはしたか?そして片付けたか?


 足元には門松と虎を従えて、堂々たる謹賀新年ぷりでございます。一人暮らしでこういうのをさぼった方、代わりに小僧さんがやっといてくれてますよ。


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 と、いう事で今年も目が離せない小僧さん、追いかけていきます!





さすが楽天、こんなものも売ってました。
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2010年01月13日

ドンドン商店街ウヤマタイプトマソン

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 今回は当blogではあまりとりあげないタイプのトマソン、ウヤマタイプの物件案内。

 このウヤマタイプというトマソンがどういうものか、というご説明を差し上げますと、そもそもの成り立ちは「卯山 店」という看板があったところから始まります。
 この表示では「卯山商店」なのか「卯山靴店」なのかはたまた「卯山薬店」だかわからない。なぜなら三文字目の看板がなくなってしまっているから。
 そして何を示しているかよくわからない看板は無用の長物=トマソンであろう、となったというのが非常にざっくりとしたウヤマタイプトマソンの説明です。
(赤瀬川原平/「超芸術トマソン」から適当にアレンジしてお伝えしました)。


 で、今回の物件。場所は横浜市南区、京急線南太田駅そばにある「ドンドン商店街」の一画です。


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 ここの看板が、「ニ ーママセンター」となっております。一体何だというのだこれは、と。


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 実はすぐ脇にある看板から「ニューママセンター」という名前なのだ、という事が判明するのでトマソンとは言い難いのですが、「ニ -ママ」というのが妙にファニーに見えましたので、今回ご紹介させていただきました。


 今年は昨年まで当blogのトマソン物件として活躍した高所、原爆、無用庇といったトマソンだけでなく、「超芸術トマソン」に掲載されているいろんなタイプのトマソンをご紹介できれば!とぼんやり考えております。








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2010年01月11日

横浜ぬりかべトマソン

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 元旦路上観察で見つけた物件を先週に引き続きご紹介。上の写真の中に見えてますよ(わかるワケがないとは、思ってます)。


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 この写真の右側にある扉、これが今回のトマソン。地味ながらぬりかべタイプのトマソンです。

 場所は横浜駅というよりも相鉄線平沼橋といった方がいいような所にある、歯科技術専門学校の別棟です。


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 近づいてこの扉を観察してみますと、溶接か何かされたようで、どうやっても開く気配がありません。


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蝶番が上下ともしっかりとあるのですが、それが余計に「なにこれ?」感を一層盛り立ててくれます。地味なんだけど。


 どうもこの建物、今は歯科専門学校として使われてはいるものの、その前は明らかに全く違う用途で使用されていたのだと思うのです。だから「こんな扉使わないや」と塞がれてしまったのではないか、と。


 スパルタンな鋲つき扉、そして1ミリも開かない無情。シュールなトマソンでございました。




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2010年01月08日

牛込柳町高所ドアトマソン

 昨年末、「牛込柳町原爆トマソン」という記事で予告した通り、今回は新宿区は都営地下鉄大江戸線の牛込柳町駅近辺のトマソンをもうひとつご紹介。


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 非常に年季の入った建物の、ちょっと奥まったように見える二階部分。そこにちょこんと、高所ドアがあります。


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 ドアの足元が傾斜の屋根となっていて、一体このドアはどういった用途で用いられていたのかが今ひとつよくわからないのですが、ちょっと珍しいタイプの高所ドアトマソンです。


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 高所ドア以外の壁面を見てみると、随所に穴か何かがあったのを塞いだ跡があったり、ブロック同志の間を新たにシーリングしたような跡があったり、かなり手を入れながら使われてきた建物のようです。


 この建物も、周囲の空き地具合から見ていつかは再開発のために解体され、何もなかったかのように新しく大きな建物がこの地に出来上がってくるのではないか、と思います。
 
 通りすがりではありながらも、どことなく郷愁をそそるトマソンであり、建物であると思いました。
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