松尾鉱山:ボイラー
松尾鉱山に付随する廃墟群を徘徊してきたご報告、先週までの生活学園はひとまず区切りとして、今回はボイラーのご紹介。
松尾鉱山の労働者が働いていた松ヶ丘アパートなどの建物は、全室暖房が完備されていたそうです。その熱源となっていたのがこちらの建物、ボイラー室(ボイラー棟、が正確な表現でしょうか)です。
天にそびえる二本の煙突、これがボイラー室を端的に表しています。低層の建物が多い松尾鉱山にあって、頭抜けた高さを誇っていますが、細部はやはり朽ちてきており、今後の状態によってはぽきりと折れてしまう、という危険も孕んでいると予想されます。
煙突の根元には、ボイラーの機械を収めていたと思しき建物があります。こちらは平屋なのですが、外壁の朽ち方は生活学園と同様、かなりの進行を見せています。
建物内部は、ご覧の通りに仕上材の形跡は全くなく、躯体そのものが完全に露出しています。
これはボイラー機能を有していたため、そもそも大した仕上げが施されていなかった、という事が主たる原因であると思われます。
床には、かつてボイラーの機械が据えられていたと思われる台座の跡のようなものが等間隔で配置されてます。
建物内部で見つけたバルブのハンドルとボルトは満遍なく錆に覆われ、放置されていた時間の永さを否応なく感じさせます。
この建物で特徴的だったのは、平屋でありながらも一部地下が設けられていた事です。
建物のごく一部ですが、地下に降りる昇降設備は鉄筋コンクリート造でしっかりと作られています。ただし現在は階段も半壊しており、とてもじゃないけど降りられない有様ではありますが。
地下室の奥には、雪が吹き込んだままの状態でした。撮影したのは5月下旬ですが、まるで氷室のように、雪は解ける事なくそこに在りました。
空虚な空間と成り果てたボイラー室(ボイラー棟)の写真をスライドショーにしましたので、よかったらご覧ください。
この記事へのコメント
目下のところ「日本一アツい松尾鉱山観察」をなさっている氏からお褒めを頂戴し光栄です。
それにしてもこのブログ、トマソンのトの字もないですね、最近・・。