松尾鉱山:至誠寮(1)
生活学園~ボイラー棟と巡ってきた岩手県の松尾鉱山。今回は単身者向け住宅であった至誠寮のご紹介。
鉄筋コンクリート造地上3階という構造の至誠寮。外観もかなり傷んでますが、エントランスも入りづらくなっております。朽ちた印象を強烈に植えつけられます。
※コメント欄にて階数についてのご指摘を頂きましたので、謹んで訂正させて頂きます。情報提供下さったtelaviv様、どうもありがとうございます。
中に入ってみると、外壁に比べるとまだまだ内壁は劣化が進行していないようにも見えます。
しかしそれはあくまでも躯体に限った話で、かつて居室であった部屋を覗くと、木造だった床は時間の経過によって朽ち、滅失していました。
写真にもある通り、床の下はコンクリートの独立基礎で支えられていた事がわかります。現代の鉄筋コンクリート造の建物ではあまり見かけない工法です。
地下に降りてみますと、やはりここも木造であった天井が、根太を残して全て崩落していました。足元に転がるおびただしい量の木材が、かつては天井を構成していたものだと思うと、改めて時の隔たりを感じさせます。
かつての風呂場跡。やはりコンクリート面はひびこそ入っていますが、深刻なダメージを受けていないように見えます。
ここに確かに生活の場があった事を、放置された家電が教えてくれます。
低層でありながら鉄筋コンクリート造を採用した至誠寮。その姿は異様でもあり、郷愁もあり、という建物です。明日は至誠寮後半戦と、見事としか言いようのない外部階段の記事をお送りする予定です。
この記事へのコメント
ご指摘通り、3階ありますね、すいません。早速訂正させて頂きます。教えてくれてありがとうございます!